「牛御前」の話は室町時代あたりに盛んに語られました。平安時代の武士、源頼光の兄弟にまるで牛鬼のような姿をした子が生まれ、牛御前と呼ばれたそうです。牛御前は山で育てられ、すさまじい腕力をもつ若者に育ちましたが、父はこの子を嫌い、頼光にこれを討つように命じてしまいます。父の裏切りを知った牛御前は、恨みの果てに鬼となり、関東に下って鬼の国を作ろうとしました。ですが、源頼光の家来でその名も高い「四天王」(渡辺綱他)らはこの牛御前を滅ぼしてしまいます。牛御前は隅田川に身を投じ、巨大な化け物となってあたりを水びたしにしたということです。